Profile

大学院 社会基盤工学専攻を修了後、2012年に電力会社に入社。主に原子力発電所の地下や周辺にある断層の活動性評価や火山などの影響評価に従事。電力会社入社当初からの「地熱開発がしたい」との思いを胸に、2020年JOGMECにキャリア入構。現在は主にJOGMECの地熱資源開発における全体統括・管理を担当。プライベートでは、2021年5月に待望の第一子が誕生。趣味はキャンプとギター・ピアノ。

転職でJOGMECを選んだ理由

地熱発電の仕事に携わりたい
その想いを実現できる場所へ

大学では資源コースを専攻し、資源全般について学んだ後、大学院に進み、原油の増進回収に関する研究を行っていました。資源について学ぶ中で、エネルギー資源の乏しい日本における地熱発電の大きな可能性を感じ、いずれは「地熱発電の仕事に携わりたい」との思いから、出身地の電力会社に就職しました。配属された土木部では、主に原子力発電所の地下や周辺にある断層の活動可能性や、近くの火山の噴火可能性などの影響評価業務を担当。地質調査実施に係る関係箇所への許認可手続き、原子力規制庁へ説明する資料の作成、社内外への説明・調整等を実施し、技術系総合職としてのキャリアを重ねました。原子力発電所関連業務は専門性が高く、会社も原子力の再稼働が最優先の方針である中、原子力土木技術者としてのキャリアは着実に積み上がっていたものの、入社時からの希望である地熱発電を手がけられる見込みはない、そう考えた結果、30代前半のうちに転職しようと考えるに至りました。

「地熱発電 中途採用」のキーワードで検索したところ、唯一ヒットしたのがJOGMECでした。資源の少ない日本において、資源の安定的かつ低廉な供給を目指している組織であり、自分の資源・エネルギーへの興味の核となる部分と合致していると思いました。加えて、大学院の先輩の就職先として馴染みがあったこともあり、JOGMECでの新たな挑戦を決意しました。



現在の仕事

地熱開発・地熱利用の
意義や可能性に対する理解促進へ

私が在籍する地熱統括部では、日本における有望な資源である地熱資源開発の普及と発展を目指し、多様な取組を行っています。地熱は再生可能エネルギーとして重要性が増していますが、地下資源であるがゆえの様々なリスクや課題が伴うため、多様な視点からの支援が重要なのです。
具体的には、有望な地熱資源を確認する「広域的な自主調査(ポテンシャル調査)」をはじめ、国内企業の地表調査や坑井掘削調査の財務リスク低減に寄与する「助成事業」、資金調達の円滑化を促す「出資・債務保証」、地熱資源の探査リスクや操業リスクの低減につながる探査技術や評価・管理技術などの「技術開発」を行っています。また地熱開発を推進していくには、暮らしている住民の方々との共生、そして、そのための理解促進が欠かせません。そこで「理解促進事業」にも注力しています。

現在、私が主に担当しているのが「理解促進事業」です。地熱開発では、地元での合意形成が重要なポイントとなります。温泉事業者をはじめ、一般の地域住民の方に地熱発電について正しく理解していただくため、様々な理解促進活動を展開しています。つい先日も地熱に関連する自治体を招集し、「地⽅⾃治体地熱研究会」を企画・開催しました。地熱発電による地域の産業振興モデル地区に認定された自治体の取組を他の自治体に知ってもらうとともに、自治体間の交流を深め、今後の地熱開発の促進につなげていくことが目的です。他にも、地域の特性を考え、地域・自然との共生を目指した地熱開発シンポジウムや、小学生を対象とした地熱発電の出張特別授業、刊行物やウェブサイトでの情報発信など、あらゆる方法・手段を通じて、地熱開発・利用の意義や可能性に対する理解を広め、深める活動に取り組んでいます。

今後の目標

日本における
地熱資源開発の未来を拓く

日本は世界で3番目の地熱資源量を有しています。純粋な国産資源である地熱を利用する地熱発電は、CO2排出量が極めて少ない再生可能エネルギーであり、天候や時間帯に関係なく安定した出力ができる貴重なベースロード電源として注目されています。これを普及させていくには、国のエネルギー基本計画のもと、地域の方々のご理解、ご協力のもと、地熱資源開発や資源調査、地熱発電所の建設への資金協力に加え、新しい有望地域を見つけるための探査や技術開発を推し進めていくことが欠かせません。
今まさに担当している業務を丁寧に一つひとつ行っていくことはもちろん、

「日本の未来のために、クリーンエネルギーとして
可能性溢れる地熱の仕事がしたい」

という学生時代からの想いを叶えられている今の自分が、できること、やるべきことは、すべてやりきりたい、というのが正直な想いです。
また、技術系総合職としての今後のキャリアでは、特に地熱資源開発の「ポテンシャル調査」をより深く学んでいきたいと考えています。「国内のどこを地熱開発すればよいのか、寺井に聞けばわかる」となることが目標であり、理想です。

Message

私が感じる
JOGMECらしさ

前職の職場は数千人、所属部も数百人規模だったのに対して、現在私が所属する部は40人規模。圧倒的に人数が少ないものの、優秀な方が多く、「少数精鋭」という印象です。意思決定のプロセスが迅速かつ、若いうちから一人ひとりが自分の意見を持って臆することなく発言できる風土が根づいており、非常に風通しの良い、働きやすい職場だと実感しています。
また、新聞等を読んでいると、資源に関するJOGMEC職員のコメントを目にする機会も多くあります。そうした折、日本の資源安定供給の最先端を担っていることを改めて認識できることも、使命感を堅持して邁進していく自分の原動力につながっています。

未来の仲間となる
皆さんへ

資源・エネルギーに興味のある方、日本の資源安定供給に興味のある方にとって、JOGMECは大きなやりがいを持って働ける職場だと思います。民間企業は自ら利益を求めて資源開発を行う一方で、JOGMECでは国益のために大きな視点で民間企業と関わる立場で動くことができ、より社会貢献が可能だと感じています。
また、日本はもちろん、世界全体がカーボンニュートラルへ舵を切る中、JOGMECも新たな挑戦の時期を迎えており、今後をつくっていくのは働く一人ひとり。私自身、その挑戦の未来が楽しみでしかたありません。
資源・エネルギーの未来を切り拓いていくことのできる舞台で、使命感をもって切磋琢磨しながら仕事に取り組んでいける仲間との出会いも楽しみにしています。

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