Profile

事務職として10数年、石油天然ガス開発事業部門で活躍。その内、約2年間は経済産業省資源エネルギー庁国際課、約3年間は米国石油大手企業への出向を経験し、国内外におけるステークホルダーの調整役を務めた。2016年から約2年間ワシントン大学ビジネススクールで学び、MBA(経営学修士)を取得。帰国後は総務部経営企画課の筆頭課長代理を経て、現在は評価部金融資産課長として、活躍中。機構が支援する様々な資源開発プロジェクトを俯瞰し、金融資産のリスクマネジメントを通じた資源の安定供給実現に貢献している。趣味は、大学時代から続く小説や思想・哲学関係の読書。

現在の仕事とキャリア

すべての学びと
多様な職務経験を総動員。
高いステージで
エネルギー政策を支える

JOGMECでは、海外における資源権益の獲得を資金面からサポートすべく、日本企業のリスク分担と資金調達円滑化を目的とした金融支援を行っています。その中で、私が所属する評価部金融資産課は、石油・天然ガス、金属鉱物、地熱など各事業部門のプロジェクトを俯瞰し、組織横断的なリスクマネジメントを行っています。事業部よりも一段高いステージから、出資や債務保証対象プロジェクトが適切に進捗しているか、金融資産を適切にモニタリングする役割といえるでしょう。

私は入構後、石油・天然ガス開発事業の事務職として、国のエネルギー政策と企業活力のベストマッチを実現すべく、中央省庁や資源開発の最前線で働く企業との交渉を重ね、出資や債務保証を通じた有望な石油・天然ガスプロジェクトの発掘と育成に携わってきました。ほかにも、米国の大手石油開発企業への出向やMBA取得などを通じて、経営・金融・法律に関する知識をはじめ、国際情勢や語学力を含む、幅広い視野とスキルを磨いてきました。また、前部署の総務部経営企画課では、JOGMEC全体の経営戦略や事業計画の立案を手掛けることができ、これらの経験や学びのすべてが今につながっていることを実感しています。資源は我々の生活に欠かせないものですが、その開発はリスクと不確実性の塊であり、かつ、事業の成功に至るまで長期間を要する息の長い事業です。JOGMECの使命である、資源の安定供給と財務の健全性を両立させるためには、事業個別のリスク管理能力のみならず、組織全体としての経営判断能力や、国内外のステークホルダーとの調整力も問われます。国のエネルギー政策を睨みつつ、これらの知見を総動員して日本という資源小国のエネルギー安定供給の実現に貢献できることは、大きなやりがいを感じますね。

印象に残るエピソード

海外出向で世界標準の
調整力を習得。
国際舞台で戦える人材に成長

JOGMECの事務職は、国内外の企業や官庁など、さまざまな立場の業務を経験できる可能性に富んでいます。最も印象に残っているのは、2009年からの3年間、米国の大手石油企業(ExxonMobil関連会社)に出向したことです。そこにはアメリカ、ロシア、インドなど、世界中の人々が集う、まさに人種の坩堝でした。私はその渉外部門で、各国関係者による会議の企画や運営、調整役を担当し、各国からの多様な要求・依頼・照会に応える役割を担ったのですが、最初はとにかく英語力不足を痛感しました。自分の英語が全く通じないことも珍しくなく、愕然としましたね。また、世界の拠点が24時間休みなく動き続けるダイナミズムにも圧倒され続けました。とにかくここで生き残らねばと、必死に英語や社会情勢、文化的背景を学び、求められる仕事に無我夢中になって食らいつきましたが、不安は消えません。最後まで、“これで良いのか”と自問自答を続けていたことを思い出します。任期を終え帰任となった日、日頃は不愛想なロシア人上司がやってきて、一枚の手紙を手渡されました。そこに書かれていたのは「I’m proud of you, my most professional colleague.」(最高のプロの仲間を持てたことを誇りに思う)との言葉。「この3年間は無駄ではなかった」と心の底から思えた瞬間で、自分が国際舞台で戦えるまでに成長できた証のように感じました。

今後の目標と社風

刺激的な仲間の存在が
モチベーション。
エネルギーの安定供給を実現する

国と企業の中間地点で橋渡し役となる使命を持つJOGMECですが、私は商社や資源開発会社といった事業の最前線で働く人々と対等に渡り合いたい思いから、志願して米国に留学し、MBA(経営学修士)を取得しました。また、帰国後は経営企画や金融資産管理の業務を経験したことで、将来の選択肢も大きく広がってきていると感じます。当初は、石油・天然ガス開発のスペシャリストとなることを目標としていましたが、事業部門からコーポレート部門までを広く経験した今は、JOGMECの事業全体を俯瞰して、事業の企画立案や経営戦略策定といった分野で力を発揮することも、一つの選択肢と考えています。組織内での地位や肩書というより、JOGMECの仕事を通して日本のエネルギーの安定供給実現に欠かせない存在になっていきたいと思います。

これまでのキャリアは常に刺激に富んで面白く、仲間に恵まれました。JOGMECの魅力は、資源の安定供給という使命のもとに結集した“人という資源”だと感じます。「独立行政法人」というと、堅苦しいイメージを持たれるかもしれませんが、機構内には厳しく鍛え励ましてくれる人、優しく見守ってくれる人、議論にとことん付き合ってくれる人がいて、フランクな職場です。資源の安定供給確保のために何をなすべきか、より良いアプローチはないかと日々議論を重ね、その実現のために個人もチームも動いています。どんな高尚な理念も、その下に集う人々の想いと行動がなければ実現できません。私がこの組織を選び、今も働き続けている理由は、共に働く刺激的な仲間の存在があるからこそ、といえるでしょう。


Message

JOGMECを選んだ理由

大学3年の春休みに、バックパッカーとして陸路でのヨーロッパ横断旅行を経験し、世界の多様性や人間の営みの広さ、深さを痛感しました。一方で、就職への意欲はわかず、大学院で文学や哲学を学ぶのもいいかな、と頭をよぎったときに父の死と直面します。どう自立して生きていくかを考えていたとき、たまたま目にしたのがJOGMECの新卒一期目の求人です。石油などの資源に関われば世界を舞台とした仕事ができるはずと、(今にして思えば短絡的な動機で)志望しました。入構後、刺激的な人間が集まる活気に溢れた組織を目の当たりにして、運と縁を感じた次第です。

未来の仲間への
メッセージ

JOGMECで活躍するために、特別なバックグラウンドは必要ありません。「自分に何ができるか?」より「自分は何がしたいか?」という思いが大切です。思いがあれば、知識は後からついてきます。私は全く英語ができず、資源に関しても無知でした。それでも「世界に出てみたい」という気持ちは人一倍強く、「虚仮(こけ)の一念、岩を破る」の言葉通りに、念願の留学も海外赴任も経験しました。会社があなたを選ぶのではなく、あなたが会社を選ぶ、それくらいの気概と学ぶ意欲をもった人材を期待しています。

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