Profile
大学院時代は地質学鉱物学教室に所属し、微化石分析に基づく古気候・古環境変動の復元をテーマに地球の歴史解明につながる研究に取り組む。入構後は事業推進部地質・物理探査課で事務系職員が経済性評価を行うために、限られた情報の中でスピーディーな技術評価を行う。現在は探査部海外探査課で、一からデータベースを構築し、年単位の時間をかけてデータ解釈を実施。これまでカリブ海、今は中東エリアのスタディに携わっている。
現在の仕事
海外油・ガス田開発の
促進を図るため、
中東エリアなどの
地質構造調査に貢献
私は海外探査課で、技術系職員として中東エリアのスタディ(海外地質構造に関する調査・分析)に携わっています。地質のポテンシャルがあるかどうか、つまり油やガスがありそうなところをデータ分析によって突き止めることが使命です。
民間企業が事業を始めるには地質的あるいは経済的にリスクが高いため、海外探査課では、技術評価や支援によってできるだけリスクを低減し、日本企業に優先交渉権を引き継ぐことで、海外油ガス田開発の促進を目指しています。
実際にJOGMECは外国政府や企業からの要請に応えるだけでなく、自らの働きかけによって地質調査・物理探査の実施や既存データの入手(購入)を行っています。
現在のスタディではチームを組み、文献や断面図などデータベースも詳細に分析した上で、広域地質や探鉱史も把握し、現在は地震探査データの解釈や坑井データなどの解釈を実施しています。今後は海外油・ガス田の成立条件を深く考察し、スタディエリアの探鉱余地を明らかにしていくつもりです。
大学時代とのつながり・仕事のやりがい
地質の基礎や研究姿勢が
仕事に活きる
結論への道筋が見えたときが
楽しい
大学院まで私は花粉化石など微化石分析に基づく古気候・古環境変動の復元を行っていました。具体的には、ボーリングコアの堆積物から抽出した化石の数や種類の割合の変化などから寒暖や乾湿の復元をしていました。研究テーマと今の仕事に関連はありませんが、学生時代で学んだ地質の基礎と、実験→検証→論文作成といった研究の進め方は活きていると感じています。
入構当初、私は事業推進部地質・物理探査課で、多くの案件をスピーディーに評価する仕事を経験しました。現在は探査部海外探査課で比較的豊富なデータを基に年単位の時間をかけて詳細な評価を行っています。
以前担当していたカリブ海のプロジェクトでは、多くの論文を読むようにしていた半面、コミュニケーションをとる機会が減り、あまりチームに貢献することができませんでした。現在はチーム内で相談する機会を多く持つように取組んでいます。
集めた情報や解析したデータが結びつき、結論への道筋が見えた時や数か月かけて集めた情報が結びつき、地質的関連が明らかになると楽しく感じます。報告書が最終的に民間企業の納得を得て、プロジェクトが動き出した時に特にやりがいを感じます。
今後、携わりたいこと
現場感覚と専門性を
高めることで、
プロジェクトの主体となり
活躍したい
仕事はチームによる分担制で、私のスタディの進め方が正しいのか、結論が現実的なものかを判断するには迷うことがあります。その時は、シニアや中堅職員の方の知見や経験による力を借りて、少しずつ身に着けていきたいと考えています。
また、現場感覚を身に着け、経験に基づいた技術評価ができるようになるために海外現場に足を運び、外部の民間企業や研究部との関わりをもっと増やしていきたいです。
現在、私は多くの文献やデータに触れることで専門性を高め、技術精度を上げることに力を注いでいます。
現場感覚と専門性を高め、将来は地質ポテンシャルの高いエリアを見出すことで、日本のエネルギー政策に貢献するプロジェクトを主体的に評価・推進していける存在になることが目標です。
JOGMECを選んだ理由
地質分野の仕事に就こうと業界研究した際、世界中の地質を学ぶ機会があり、また、多様なデータを基に評価する経験もできる資源・エネルギー分野に興味を持ちました。その中でもJOGMECの海外地質構造調査を通じて民間企業が進出しにくいエリアでも積極的に取り込む姿勢に魅力を感じ入構を決めました。
未来の仲間への
メッセージ
世界を対象に仕事がしたい、かつ公益性の高い仕事がしたいという方はぜひJOGMECを選択肢に入れてみてください。技術分野では、なかなか行く機会のない国のデータや多様なデータに触れる機会があり、好奇心を持って仕事を行うことができます。
一方で、技術的な面白みだけでなく、事務系職員の方々と一緒に仕事を進めることで、政策を実施していく機関であるという実感を持つ機会もあります。私もまだまだ日々勉強することばかりの身ですので、新しく入構される方々と一緒に成長できれば嬉しく思います。